金銭貸借の際には、人的担保(保証人など)や物的担保(不動産の抵当権など)を設定することで債権の貸し倒れリスクを予防することが通例となっています。
このうち、連帯保証人制度については以前より批判の声が挙がっていました。
連帯保証人には、催告の抗弁権(まずは主債務者に請求するよう求める権利 )や検索の抗弁権(まずは主債務者の財産を差押えるように求める権利)が認められず、実際にお金を借りた主債務者と同一の返済義務を負うという過酷な面があります。(そのような重い責任を負う割には、連帯保証人には無報酬ということも多いものです。)
債務者の事情は何も知らされないまま、人間関係の上で断れずに連帯保証人を引き受け、自己の管理が及ばないところで債務の履行に責任を負うという問題が数多く発生しています。
債務者が多額の債務を負って破産する事態になった場合は、連帯保証人も道連れで破産に追い込まれてしまうことも多いです。
そのような悲劇を防ぐために、銀行などの金融機関が融資をする際に、経営に関与をしていない債務者の親族等に連帯保証を求めることが禁止されます。
これは金融庁が平成23年7月に金融機関への連帯保証に関する監督指針を改正することで実施されます。
金融機関は連帯保証人以外の担保を探すことが求められるので、融資条件はよりシビアに審査される可能性も出てくるでしょう。
個人間の金銭貸借や損害賠償金の担保については、特に規制は無いので従来どおりに連帯保証人を設定することが可能です。