親や兄弟等が借金をしていて、親族にその返済を求められるケースは多いです。
確かにお金を貸した貸主としては、借主本人が返済できないなら、その親族に支払ってもらいたいと考える道理はわかります。
このような親族の借金(配偶者の借金も含む)については、仮に返済を求められても法律的には支払う義務はありません。
逆に貸主の立場で、返済を滞らせる借主本人を回避して、借主の親族に返済を請求しても、法律的には無効となります。(あまりに執拗な請求をすると恐喝罪に抵触します。)
原則論としては、保証人になっていない限り、親族の借金を返済する義務はありません。
しかし、時には貸主と借主の親族が知人であり、法律的には返済する義務のない借金であっても、諸事情からその借金を肩代わりするという事も多いものです。
子がその友人から借金をして浪費し、責任を感じた親が友人に返済をするケース等ですね。
このようなケースでは、親が債務を引き受けるために債務承認弁済契約書を交わして、貸主に返済を行うことになります。
その他では、親の借金を相続するかどうかという問題もあります。
相続する財産より借金の方が大きければ、相続自体を放棄したり、相続でプラスになる場合のみ限定的に相続する(限定承認)という方法もあります。
つまり、親族が作った借金については、本人が自主的に肩代わりを認めない限り、法律的には負担をする必要はありません。