Q:
アパートを経営しています。
今年の夏に退居した元入居者が2年間分の家賃(98万円)を滞納しており、退居時に借用書をかわしました。
しかし、借用書に定めた期限までに支払いがされませんでした。
何度も現住所に督促状を送っても無視をされます。
公正証書作成をするように申し入れをしたのですが、その協力をしてもらえません。
このような状態ですが、相手に資産がないようなら諦めるしかないでしょうか?
A:
公正証書を作成すれば、強制力をもって返済させることを期待できますが、その作成段階で協力が得られない場合は自主的な交渉の限界といえます。
(公正証書を作成しても、債務者に資力がなければ、結局は回収できません。)
資産的に価値のあるものを担保にしたり、連帯保証人をつけなければ、こうした債務者からの回収は困難なのが実情です。
アパートからの退去時に公正証書の作成をしていれば、債務者の給与の一部を差押するなどの対抗手段がありますが、当事者間の借用書(私製契約書)だけの状態では、訴訟の提起をして勝訴してからでないと強制執行はできません。
このような状態の場合は、借用書を証拠資料として訴訟を提起するか、債権放棄をするかの経営判断となります。