Q:
過去の工事代金が未入金になって困っています。過去半年間で合計で260万円の工事代金が支払われておりません。支払が遅延し始めた時より督促を口頭にて実施しましたが支払が無い状態です。相手方は不動産会社であり、他の下請け会社にも支払は悪いようです。今後確実に債権を回収していくためにはどの様にすればよろしいでしょうか?
支払延期書や金銭準消費貸借契約書などを公正証書として作成する場合について教えて下さい。
A:
滞納している商事債権(売掛金)を回収するには、話し合いが基本ですが、相手に誠意が無い場合は、強制的手続として訴訟を提起するのが最終手段となります。
相手が訴訟を回避したいという意向があれば、妥協案として返済方法を取り決めて契約書を作成することになります。
その際に、契約書を公正証書で作成すれば、その後に滞納があった時点で裁判を経ずに強制執行(差し押さえ)が可能となります。
但し、相手に資産が無い状況では、差し押さえをしても空振りに終わることもあります。
また、相手方が倒産や自己破産をした場合は、公正証書を作成していても債権は消滅してしまいます。
継続的取引にも関わらず、滞納が続くような相手方の場合は、破産のリスクも視野に入れておく必要があります。
公正証書を作成する際に、連帯保証人を設定するか、資産的価値のあるものに担保を設定する等の対策も必要でしょう。
こうした公正証書作成を拒むようなら、即時に訴訟を提起すると予告して、交渉をする方法も考えられます。
公正証書の作成には、当事者の実印と印鑑登録証明書が必要となります。契約者が法人の場合は、商業登記簿や代表者資格証なども用意が必要です。
これらを用意して、債務承認弁済契約書の原案を持参し、公証役場を訪問して公正証書作成の手続を行って下さい。