金銭貸借の当事者であるお金を借りた人(債務者)が、とうとう返済が出来ない事態になったとき、金銭貸借の契約書に保証人が設定してある場合は、その保証人に肩代わりして支払うように弁済を請求することになります。
保証人には単純保証と連帯保証の区別があります。
単純保証の場合は、催告の抗弁権や検索の抗弁権があり、まず最初に債務者本人に請求をする必要があります。通常は内容証明郵便で債務者に請求した事実を示さなくてはなりません。
また、単純保証の場合は、分別の利益があります。これは保証人が複数いる場合は、債務額を保証人の数で頭割りします。
つまり、貸したお金を回収する側(債権者)は、債務者に支払能力が無いことを証明しつつ、保証人が複数いるばあいは、複数の保証人と連絡調整をとりながら、請求をしていかねばなりません。
一方、連帯保証の場合は、催告の抗弁権・検索の抗弁権・分別の利益は認められず、複数の連帯保証人がいる場合でも、債権者は任意の一人に対して、債権の全額を請求することも可能となります。
契約書に基づいて、債権を保証人(連帯保証人)に弁済するよう請求し、それで応じて貰えるなら、債権回収は完了となります。
しかし、保証人(連帯保証人)が弁済に応じない場合は、訴訟をするしかありません。
金銭貸借の契約書を公正証書で作成しておいた場合は、訴訟を経ることなく、保証人(連帯保証人)に対して強制執行をすることが可能となります。
債権額が大きく、返済も長期にわたる場合は、契約書を公正証書にしておく方が無難ですね。