金銭貸借の契約をする場合、借主が返済を怠り支払いが遅延することを予防したいものです。
貸主の最大の懸念は、「ちゃんと約束どおりの期日に返済してくれるのか?」という点に尽きるでしょう。
このように返済遅延を予防するために、遅延に対する罰金を決めておくことが、契約書作成のセオリーとも言えます。
こうした罰金を遅延損害金と呼びます。
具体的な遅延損害金の設定は、「返済期日までに支払いを怠る場合は、年利何%の遅延損害金を支払う」という文言を契約書に入れます。
それでは、この遅延損害金は最大何%まで課すことができるのでしょうか?
その回答は利息制限法にあります。
利息制限法では、金銭貸借の金利について、以下のように定めています。(利息制限法第1条)
(1)元本が10万円未満 ・・・年20%
(2)元本が10万円以上100万円未満 ・・・年18%
(3)元本が100万円以上 ・・・年15%
上記のパーセンテージを前提条件とした上で、同法ではその1.46倍までの遅延損害金の設定を許容しています。(同法第4条)
すると、遅延損害金の法定上限値は以下のようになります。
(1)元本が10万円未満 ・・・年29.2%
(2)元本が10万円以上100万円未満 ・・・年26.28%
(3)元本が100万円以上 ・・・年21.9%
ちなみに利息制限法の基準を超えた遅延損害金を定めた場合は、同法の規定によりその超過分は無効となります。(遅延損害金そのものが無効になるわけではありません。)
金銭貸借の契約書を作成する場合は、金利や遅延損害金の上限について注意しましょう。