友人や親族に事業用の融資を依頼されて、相手の立場を考えると貸してあげたいと思うのが人情です。
それでも、相手が経済的に信用できない状態で、お金を貸したら返済がされない不安があるときは、心を鬼にして断る勇気を持たねばなりません。
義理・友情とお金はどちらも大事ですが、貸したお金が返ってこなければ、その両方を失うことになってしまうことを意識しないといけません。
融資をしたのに借主(債務者)が返済できない状態になれば、無担保の場合は誰もその債権の保証はしてくれません。
そうなれば、苦労して貯めたお金もあきらめるしか無くなります。
自分のお金は自分で守る努力が必要です。
いろいろと検討をして融資をすることになれば、返済遅延も想定していくつかの準備をしなくてはなりません。
(そうした準備をする時間的猶予も無い融資の依頼については断った方が無難です。)
ある程度大きな金額の事業用の融資をする場合には、以下のような検討をしてから貸付を行う必要があります。
(1)融資する事業の内容を具体的に教えてもらっているか?
(事業計画書や会社の経営指標の資料などを確認できているか)
(2)債務者は他にも借金をしていないか?(借金の総額はいくらか?)
(3)債務を返済するだけの収入予定はあるか?
(4)債務者は具体的な返済方法や返済時期を明示しているか?
(5)債務者は金銭消費貸借契約書の作成に同意するか?
(6)不動産の抵当権や連帯保証人など担保設定は可能か?
これらを確認していく上で、一つでも不審に思うところがあれば融資には慎重になった方がよいといえます。
特に(4)~(6)の金銭貸借の契約書の作成については、絶対的に必要な条件です。
お金を貸す場合には実際に返済がされるまで不安はつきまとうものです。
その不安を解消し、確実に返してもらうようにするためには、金銭消費貸借契約書を作成することが有効です。
金銭消費貸借契約書(借用書)には、具体的な返済方法や返済時期を明確に記載し、それに違反するときには罰則として遅延損害金を付けて返済するように定めます。
返済時期を一日でも遅らせれば、残金を一括返済させることも条件として定め、債務者に期日を守らせるための動機付けをすることも必要です。
融資する金額が大きい場合は、公証役場にて手続を行う公正証書の作成をするのが適切です。
公正証書を作成すれば、万が一に返済遅延が生じたときに、裁判を経ることなく債務者の給与口座や不動産を差し押さえすることが可能になります。
ある程度の金額を貸す場合には、やはり口約束だけでは無謀です。
お金を貸す場合には、借用書や公正証書の作成を融資の条件にするべきです。
当行政書士事務所では、法的効力のある借用書(金銭消費貸借契約書)の作成を日本全国対応で承っております。