友達や親類などに貸したお金を取り戻すには、交渉のテクニックが必要になることがあります。やはり、債権回収の方法について、ある程度は知っておかねばなりません。
まずはお金を借りている側(債務者)が、本当にお金が無くて返せないのか、経済力はあるのに横着をして返さないのかを見極めることが先決です。
債務者に預金などの資産が無い場合
債務者に預金などの資産が全く無い場合は、給与などの将来の所得から分割支払いで返済してもらうしか方法はありません。
債務者の家族が立替払いをしてくれるといいのですが、それは法的に強制できるものではないです。
一括で取り戻すのが希望だとしても、何も無いところから回収することはできないのです。
そうだからといっても、返済を遅延している相手の口約束だけでは信用ができるものではありません。
そんな状況では、債務者に現時点での支払いを遅延している総額(債務総額)を認めさせ、分割返済の条件を確定させるために債務承認弁済契約書を作成しておく対策が必要です。
債務者に経済力がある場合
債務者に経済力があるのに、何かと理由をつけて返済をしない場合には、法的な強制力をもって回収を図ることが検討できます。
内容証明郵便で最終督促を行った後で、簡易裁判所の支払い督促制度を利用したり、裁判を行うことで強制執行(差押)の手続をとることができます。
ただし、裁判などの強制的な手続をとる場合には、相手方との信頼関係を失ってしまうことになります。
そのような荒っぽい事態を避けたい場合には、やはり債務承認弁済契約書を作成しておき、自主的に返済をすることを促すことになります。
厳格な手続には公正証書の作成
契約をより厳格にしておきたい場合には、公証役場において公正証書を作成するのが最適です。
公正証書を作成すれば、その後に支払い遅延が起きたときには、裁判を経ることなく強制執行が可能になります。
その強制力を背景にして、契約に基づいた返済を誠実に行わせることを促すわけです。
債権が60万円以下の場合には当事者間の債務承認弁済契約書
債権・債務の金額が60万円以下の場合は、原則として一日で判決が得られる少額訴訟制度が利用できるので、敢えて公正証書まで作成しなくてもよいでしょう。
こうした少額の債権回収では、当事者間だけで締結する債務承認弁済契約書(私製契約書)を作成すれば少額訴訟においても通用します。
こうした手続を理解しておき、相手に対して「裁判などの争いを避けたいので契約書を作成して解決したい。それを拒むなら裁判になる。」と交渉を行い、債務承認弁済契約書を作成して返済をさせるのがもっとも穏便な債権回収方法といえます。
このような債権回収のための契約書の作成や公正証書のサポートについては、実績豊富な当行政書士事務所にご依頼下さい。