貸したお金が返ってこないと、不安になって仕方が無いものです。
約束の期日までに返済が無く、何度も請求をしても返してくれないという事態が続くなら、債権回収の手続を検討する段階になります。
お金を貸した時点で返済期限を決めていなかった場合には、まずはお金を貸した側(債権者)から返済の請求をする必要があります。
民法591条では「返済の時期を定めていないときは、相当の期間を定めて返還の 催告をすることができる」とあり、また民法412条では「債務の履行について期限を 定めていないときは、履行の請求を受けたときから遅滞になる」となっています。
この「相当の期間」というのがどれくらいを差すのかが疑問ですが、通常は1週間くらいで良いとされているようです。
つまり、返済期日を決めなかった金銭貸借は、貸主が1週間ほどの猶予期間を定めて返還請求をすれば良いわけで、債権者が返済の請求をした時点から借り手側(債務者)は返済遅延の債務不履行をしている状態になります。
このような請求の手続には、請求をした事実が証明される内容証明郵便を利用するのが最適です。
ただ、返済を滞らせてきた債務者が請求の書類を送っただけで素直に返済をすることは少なく、同時に債権回収のための交渉を行う必要があります。
具体的には、債務者に対して「これ以上支払いを遅延するなら裁判をする。そんな面倒なことが嫌なら分割でも返済をしてほしい。分割支払いを認める条件としては契約書(または公正証書)を作成することだ」と告げて、契約書の締結に誘導することが有効な対策になります。
貸した金額が大きければ、公正証書の作成も視野に入れる必要があります。
公正証書とは、公証役場において作成する厳格な契約書のことで、これを作成すると締結後の支払い遅延には裁判を経ることなく強制執行が可能になる強力なものです。
債権・債務の金額が60万円以下の場合は、原則として一日で判決が得られる少額訴訟制度が利用できるので、敢えて公正証書まで作成しなくてもよいでしょう。
こうした少額の債権回収では、当事者間だけで締結する債務承認弁済契約書(私製契約書)を作成すれば少額訴訟においても通用します。
このような債権回収のための契約書の作成や公正証書のサポートについては、実績豊富な当行政書士事務所にご依頼下さい。