公正証書の実力|絶対に支払わせる強力な契約書を作成しましょう
お金を貸したのに返済が遅れている場合や商品代金・工事代金の未払い、トラブルの損害賠償金の滞納など、債権回収の問題は気苦労が多いものです。
そうしたケースで借主側(債務者)が「必ず支払いはするので待って欲しい」と言うような状況なら、絶対に支払いをさせる契約書を作成して確実に回収を図りたいところです。
そうした場面で最も厳格な契約書を作成するのなら、公正証書を作成するという選択肢があります。
なかなか返済がされないというのは相手方(債務者)が経済的に厳しい状況にあるということなので、まずは相手方が支払い可能な分割プランを認めて、その支払い条件を公正証書の作成によって確定させることを考える必要があるでしょう。
特に返済が長期になる場合は支払いを毎月の分割払いにした方が無難です。
例えば3年後に一括返済するという約束をしても、その時期にまとまった現金が用意できなければ1円も返済がされずに逃げられてしまうリスクがあります。
毎月に少額でも返済を続けさせれば債務者の返済意思は確認できるので、時間をかけて回収することが可能になり、支払いが途絶えたら早期に法的回収を図るという対応が可能になります。
そうした分割返済を誠実に行わせるためには、簡易な契約書では無く強力な公正証書を作成するのが望ましいといえます。
公正証書とは
貸主(債権者)と借主(債務者)との当事者だけで契約書を作成したものは私製契約書といわれます。
私製契約書はもちろん法的に有効ですが、債務者が計画通りに返済をしないときに強制力を発揮することができません。
どういうことかいうと私製契約書だけでは預金口座を差押(強制執行)することができないのです。
私製契約書を作成しただけの場合は、その契約書を証拠資料として裁判を提起して、勝訴判決を得てから差押をするという手続が必要であり、そのためには数ヶ月の時間が必要です。
その裁判手続の間に債務者の経済状況が悪化し続けたら手遅れになってしまうリスクが高まります。
そのような債権回収に要する時間を短縮させるのが公正証書です。
公正証書とは公証役場にて作成する契約書であり、その内容は公証人が精査することで契約内容の妥当性が保証されます。
金銭貸借の契約を公正証書で作成する場合には、強制執行認諾文言を付すことで返済遅延が起きた際には裁判を経ることなく債務者の財産に対して差押が可能になります。(執行文付与などの手続は必要ですが裁判をするよりは簡易なものです)。
公正証書を作成するには契約原案を公証役場に提示し、印鑑登録証明書などの添付資料を用意して所定の手数料を納付する必要がありますが、そうした手続をすることで返済遅延が生じた場合の裁判をスキップできるメリットがあります。
このような「支払いを怠れば裁判をしなくても差押えをされる」というプレッシャーが債務者には作用するため、公正証書を作成した場合は計画通りに返済がされるという効果も見込めます。
公正証書を作成する手続
公正証書を作成できる公証役場は全国主要都市にあります。インターネット検索で最寄りの公証役場を探して訪問するのがよいでしょう。
公証役場の営業時間は市役所と同様で平日の8時半から17時です。
その営業時間内に公証役場を訪問し、公証人と打ち合わせをする必要があります。
混雑していることも多いため、事前に訪問時間を電話予約した方が無難です。
手続としては債権者と債務者が公証役場に出向いて契約内容を確認し、公証人が文書化するという流れになります。
連帯保証人を設ける場合には、連帯保証人も公証役場に出向くことになります。
通常は契約内容の確認と文案の作成のために代表者が公証役場を複数回訪問して、それから関係者一同が同行して公証人の面前で内容を確認するという流れになります。
どうしても平日の日中に公証役場を訪問することが難しい場合や、関係者が遠方に住んでいるために同行が出来ない場合には、委任状や証明書類を用意することで行政書士等の専門職に公正証書作成の代行を依頼することも可能です。
公正証書を作成するためには契約(自作した契約書等)の原案の他に、債権者・債務者・連帯保証人の証明書として運転免許証もしくは印鑑登録証明書を用意する必要があります。
契約当事者が会社組織などの法人の場合には、印鑑証明書や代表者証明資格証(商業登記簿)が必要になります。(契約内容によっては、その他にも証明書類が求められることもあります)。
これらの証明書は早い段階で用意するようにして下さい。
これらの証明書がそろい、公証人が契約内容の把握をした後に公正証書の文案が作成され、関係者一同の面前でそれを読み上げて署名・捺印をすることで公正証書は完成となります。
公証役場の手数料は債権額の金額によって変化しますが、例えば300万円程度の債権額の契約については概ね2~3万円位になることが多いです。(行政書士等の専門職に作成代行を依頼する場合は、その報酬額も必要になります)。
公正証書作成の手数料は下記のページをご参照下さい。
>>公正証書作成に要する手数料と準備物<<
貸付金額が60万円以下であれば少額訴訟制度の活用
公正証書はかなり強力な契約手続なのですが、作成には費用と時間と手間がかかることも事実です。
そのためある程度高額なお金の貸し借りでは公正証書作成のメリットが大きくなりますが、少額な貸し借りでは過剰な手続になってしまうのでそこまでの必要性は低いといえるでしょう。
そこで貸付金額が60万円以下の場合には、公正証書では無く少額訴訟制度の活用を視野に入れた方が現実的です。
少額訴訟とは、債権額が60万円以下の契約については簡易裁判所において、原則として1日で判決が得られる制度です。
ただし、少額訴訟をするには金銭貸借に関する明確な事実証明が必要であるため、法的に不備の無い私製契約書(借用書)を用意しておくことが大前提になります。
口約束だけでお金を貸して、私製契約書を作成していないという状況では少額訴訟を活用することは難しくなります。(口約束だけの場合でも、債務者が協力的なら後から私製契約書を作成しても有効です)。
債権額が60万円を超える場合には公正証書を作成するメリットがありますが、公正証書も万能ではないため、以下のようなケースでは債権回収は困難になります。
以上の項目に1つでも該当する場合には、債権回収をすることは厳しいものになります。
それでは公正証書を作成することで債権回収の見込みが高まるケースも挙げてみます。
<公正証書を作成して回収を見込めるケース>
債務者が就業しており預貯金・保険・不動産等の財産がある場合
債務者が返済すると語っている場合
債務者が印鑑登録証明書などの用意に協力的
このように相手方が普通の社会人で常識的な対応ができる人物であれば公正証書の作成は可能であり、こうしたケースで公正証書を作成すれば、相手方は契約内容を誠実に果たそうという心理になって回収の見込みはかなり高いものになります。
当事務所では私製契約書や公正証書の作成代行を承ります
少額訴訟に対応できる私製契約書や公正証書の原案など、法的不備や形式不備の不安があるとせっかく苦労して書類作成しても期待通りの効果が得られなくなってしまうリスクがあります。
また、時間をかければ不備の無い書類を作成することは出来ても、限られた日数の中で作業を進めると肝心な内容を欠落させてしまうこともあります。
そのような短期間で不備の無い契約書に仕上げるという作業には、専門家の手を借りた方が安心できることは間違いがないです。
当行政書士事務所では、私製契約書の作成、公正証書の起案、公正証書の完成までのサポートなど、金銭貸借に関わる契約書の作成支援を全国対応で承っております。
当事務所の契約書・公正証書のサポートについては下記ページ(テキストリンク先)をご参照下さい。
>>当事務所の契約書・公正証書サポートのメニューと料金<<(クリック)
【遠山行政書士事務所のご案内】
・サービス提供者
遠山行政書士事務所
代表: 行政書士 遠山桂
・所在地、連絡先
509-8301
岐阜県中津川市蛭川2244-2
電話:0573-45-2803
・所属
日本行政書士会連合会
(岐阜県行政書士会恵那支部)
登録番号:第03201122号
当行政書士事務所では、法的効力のある借用書(金銭消費貸借契約書)の作成を日本全国対応で承っております。
お客様の状況を。ヒアリングして、当日のうちに契約書のWORDファイルをメール添付にて納品可能です。(料金は契約金額に関わりなく一律で16,500円です。但し、公正証書を作成する場合は別途料金が必要となります。)
借用書の作成は、当行政書士事務所にご用命下さい
金銭貸借の契約書(借用書)の作成の料金は一律で16,500円(税込み)にて承ります。
(公正証書を作成する場合は別料金です。)
依頼内容の秘密は行政書士法の守秘義務に則って厳守します。
当サイト運営者(行政書士・遠山桂)は専門誌等にも寄稿しています
【広告】