契約書の遠山行政書士事務所

岐阜県中津川市蛭川2244-2

借用書や金銭消費貸借契約書の書き方(構成例)

借用書は、金銭の貸し借りを債務者(借主)が一方的に認める形式で、通常は貸主がその証書を保管します。
借り主は証書の原本を持たないこともあり、契約書としての重みに欠ける感はあると思います。

 

金銭消費貸借契約書は、金銭の貸し借りの事実を借主と貸主の双方が認め、契約書を二部作成して双方が原本を保管します。

利息や損害遅延金などの罰則を適切に設定すれば、互いに契約内容を守ろうという動機付けが可能です。単純な金銭の貸し借りではなく、未納が続く売掛金の回収を、契約書を作成することで解決を図る場合は、金銭準消費貸借契約書を作成することになります。

 

売掛金の消滅時効は2年間ですが、金銭消費貸借契約に置き換えれば、消滅時効は5年間になるというメリットもあります。(民法169条)

 

準消費貸借の目的物が商事の売掛金ではなく、民事の損害賠償金であれば、消滅時効は10年間となります。(民法167条)また、準消費貸借契約と似たような形式には、債務弁済契約があります。

 

債務弁済契約書は、過去に成立した金銭消費貸借契約などが不履行になった場合に、利息などの条件を再度見直した上で、新たに契約を締結し直す際に使用する事が多いです。

 

以下に契約書作成の要点を解説します。

 

  1. 表題
  2. 債権債務の確認
  3. 連帯保証の有無
  4. 弁済期限
  5. 利息・損害遅延金
  6. 期限の利益
  7. その他諸条件
  8. 日付
  9. 当事者の表示、署名、押印

(1) 表題
単純な金銭の貸し借りの場合は「金銭消費貸借契約書」。売掛金や損害賠償金を契約書に置き換える場合は「金銭準消費貸借契約書」とします。

 

(2)債権債務の確認
金銭の貸し借りのあった日付やその金額などを記載します。売掛金や損害賠償金など、契約をする原因がある場合は、その理由を特定して記載します。

 

(3)連帯保証人や担保の設定

連帯保証人や担保を設定する場合は、その内容を記載します。
(保証人や担保の予定が無い場合は無記載)。


保証人(単純保証)と連帯保証人では責任が異なるため、どちらであるかを明確に記載します。

 

担保は不動産への抵当権や貴金属の質権、自動車への譲渡担保設定などの方法があります。
なお、不動産への抵当権設定には事後に法務局への登記が別途必要になります。

 

(4)弁済期限
金銭の返済(弁済)方法や条件を記載します。分割返済か一括返済か。分割返済であれば、月々の返済条件などを明確にします。

 

(5)利息・損害遅延金
利息や返済が遅延した場合の損害賠償金を取り決めしておきます。何も取り決めが無い場合は民事年5%・商事年6%となります。
※民法改正(2020年4月1日施行)以後は法定利息は3%となります。
利息制限法で定められた上限を超えた利率を設定して、それを受領すると罰則対象となりますので、注意が必要です。

 

(6)期限の利益
期限までに返済をしない場合や、借主が不渡りを出した場合など、最終返済期限日を待たずに一括返済する義務が生じることを確認しておきます。

 

(7)その他諸条件
契約内容を秘密にしたい場合や、相手方とは面会したくない場合など、特約を設定することも可能です。

 

(8)日付
契約日を記載しておきます。消滅時効の問題があるので、必ず日までを明示します。

 

(9)当事者の表示、署名、押印
当事者の氏名を自署し、それぞれ実印を押印します。実印であることを証明するため、各自の印鑑登録証明書を添付して、契約書の形式的効力を高めます。契約の金額が大きい場合は、公証役場にて公正証書にしておくことを、強くお勧めします。

 

印紙税について

借用書や金銭消費貸借契約書には、印紙を貼付する義務があります。
印紙を貼り忘れても、契約内容は有効ですが、追徴課税は3倍額となってしまいます。
必ず適切な金額の印紙を貼付して下さい。印紙税の負担は、貸主と借主のどちらが行っても構いません。
印紙税額については、下記をご参照下さい。

 

1号文書の印紙税記載された契約金額
          印紙税額
1万円未満             非課税
10万円以下            200円
10万円を超え50万円以下     400円
50万円を超え100万円以下    1千円
100万円を超え500万円以下   2千円
500万円を超え1千万円以下    1万円
1千万円を超え5千万円以下     2万円
5千万円を超え1億円以下      6万円
1億円を超え5億円以下       10万円
5億円を超え10億円以下      20万円
10億円を超え50億円以下     40万円
50億円を超えるもの        60万円
契約金額の記載が無いもの      200円

 

 

当行政書士事務所では、法的効力のある借用書(金銭消費貸借契約書)の作成を日本全国対応で承っております。
お客様の状況を。ヒアリングして、当日のうちに契約書のWORDファイルをメール添付にて納品可能です。(料金は契約金額に関わりなく一律で16,500円です。但し、公正証書を作成する場合は別途料金が必要となります。)

 

借用書の作成は、当行政書士事務所にご用命下さい

金銭貸借の契約書(借用書)の作成の料金は一律で16,500円(税込み)にて承ります。
(公正証書を作成する場合は別料金です。)


依頼内容の秘密は行政書士法の守秘義務に則って厳守します。


当サイト運営者(行政書士・遠山桂)は専門誌等にも寄稿しています





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